佐藤忠良作品を巡る旅2日目

 三ノ宮に移動。
 もともとTumiのローリングダッフルを購入した動機が、曇天の夕方に岩野勇三《なほ》や大桐國光《少女》を撮影した彫像が、表情も何も見えない黒いブロンズの塊にしか写らず、さらに平成団地の佐藤忠良《夏》の周囲に終電まで人通りがありすぎて、ベビー三脚では撮影アングルの点で歯が立たないことから、縮長70cm クラスの三脚を持ち運んで比較明合成撮像を極めるためのロケカートが必要と考えたためであった。
 ローラーの修理にお金をかけた挙句に、コロナ禍で県外に出ることすら難しくなって、主にピュア天神での連泊執筆の往来に使ってきたところ、新神戸駅で下車してゴロゴロ引っ張って、《なほ》の前までたどり着いたところで、ようやく「帰って来た」実感がわいてきた。

 続いてフラワーロードを下り、《少女》に再会。
 3Dスキャンの準備をしていると、彫刻みがき隊のみなさんが水の入ったバケツとブラシを持ってやって来られて、清掃を始められた。年に一度のメインテナンスの日であるというので、しばし作業を拝見。ブラシで擦った後はタオルで水を拭き取り、さらにシルクの布で丁寧にお身拭されていた。代表の方によると「化学洗剤は使えないのでシルクの布で擦って表面を磨いている」とのこと。
 一年ぶりのお化粧直しが終わったところで3Dスキャンさせていただく。

 元町駅前に至り、阿部誠一《見つめる二人の女の子》を撮像。
恩師の作品から最短距離の吉野家さんで焦がしネギ焼き鳥丼で昼食とする。
 東遊園地に移動して、宿舎のチェックイン時刻まで3Dスキャンと撮像を続ける。
 舟越保武《シオン》

工事中で柵に囲われており、3Dスキャンできず。
 新谷琇紀《マリナ》

 あの朝のことを長く記憶に留めるために、止まった時計、倒壊したときにできた凹みをそのままに設置されている。
 あの朝、当時居住していた場所は震度3で揺り動かされ、夜も明けやらぬ時刻に飛び起きた。TVをつけたら各地の震度のうち最大震度4が京都で、どうしてここまでそんなに揺れたのか違和感があった。それは神戸では激震で地震計が破壊されてデータが送られなかったのである。夜が白々と明ける頃から神戸の街の惨状が中継されるようになったのだった。
 フラワーロード沿いに移動して《レダ》を撮像。

花壇の中に設置されていて、3Dスキャンは難しい。
 佐藤忠良《帽子・裸婦》を3Dスキャン。

 宿舎にチェックインし、コンビニ弁当で早めの夕食をとった後、ポートライナーに乗ってポートアイランドのロケハンに出かける。運行路線が呑み込めず、行きつ戻りつする。
 南公園(IKEA・こども病院前)駅下車して、甲南堂モードピア前の新谷琇紀《EVA》をさがす。
 iPhone 14 Proのカメラは薄暗がりの中でも手ぶれなしで撮像でき、3Dスキャンもちゃんとこなせた。たいしたものである。
 
 

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