佐藤忠良作品を巡る旅3日目

 三ノ宮駅近傍の宿舎で5時にアラームをセットして、6時すぎの始発のポートライナーに乗って3Dスキャンに出かける。
 タイトルとは異なって、新谷琇紀作品の網羅的鑑賞とphotogrammetryということになる。
 病院前駅から階段を降りた交差点の角に設置されている《ALBA-GⅡ》、《ACCOCCOLATA》を鑑賞、3Dスキャン。早朝ということもあって、ポートライナーの乗客は病院に早出される方ばかりのようである(ご苦労さまでございます)。

 続いて、南公園(IKEA・子ども病院)駅に移動し、昨晩ロケハンした《EVA》を3Dスキャン。

 実は建物の2階に《ACCOCCOLATA》が設置されており、隣の駐車場の脇には《愛の手》と思しき彫像が、かなり高い柱の上に設置されている(地上からは3Dスキャンのレンジ外である)。ネットで紹介されたものは拝見したことがなかったので、かなりびっくりした。芸術性に疑問の余地はないが、解剖学的に正確に造形されているサラミソーセージのようなものが、この作品を紹介することをためらわせているのかもしれない。この像と対をなす(と思われる)《愛の手》が、宝塚市の宝塚大橋工事のために一時撤去されていた後、再設置されるかどうかが、芸術か女性蔑視かというような視点から耳目を集めているのである。
 佐藤忠良さんも、「野外彫刻写真集」の中で、「彫刻が裸体でないと芸術性を語れないと言うことはないが、そこはかとなく品格を語れたかどうかが大切な課題だと言えよう」との言葉を残している。
 オープンアートが人々の安らぎや暮らしの豊かさにつながってほしいと念じつつ、宿舎に戻って移動の準備。地下鉄三宮駅から新神戸駅へ移動。
 新幹線で姫路に移動。コインロッカーにローリングダッフルを預けて、機材を持って徒歩で移動。
 姫路駅から姫路城へと伸びる彫刻ストリート(大手前通り)を雑巾がけしながら進む。外国からの観光客が多い印象である。
 大桐國光作品を中心に網羅的鑑賞とphotogrammetryということになった。

 突き当りを左に回り込んで、道沿いに設置されている大桐國光《はなはな》を発見。

 かねてより念願の大桐國光作品である。台座から左手の手のひらまでの高さは2 mある。製作は1988年、おそらく油の乗った時期であったのに違いない。CPUクーラーの付属コードが1.5 mなので手を思い切り伸ばすとベルトに下げたバッテリーが引っ張られる感じになる。2 mのコードを別に購入したはずであったが見当たらず。
 ここから姫路駅に引き返す。姫路城入口周辺は観光客が増えてきて、佐藤忠良《ブーツの娘》のスキャンは中止。

 3Dスキャンはほぼ順調に進めてきたが、帰途の彫刻ストリーㇳ西側では、途中からうまくいかなくなってきた。ちょうど薄曇りが晴れて強烈な日光がセンサーに入射するようになった時なので、本来は日差しを遮ってスキャンしたいところである。
 岡山まで新幹線で移動し、マリンライナー高松市に移動。
 宿舎のチェックイン時刻まで高松中央公園で阿部誠一《女の子二人》の3Dスキャンを試みるのに、どうにもうまくいかず。巡る旅はここで一旦終了である。
 
 
 

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