the soul of a vintage machine

 注意 筆者は特に霊感が強いとか、霊魂の信奉者というわけではないこと、原題「The soul of a new machine」のドキュメンタリーを「超マシン誕生」と邦訳するセンスに感嘆する感性の持ち主であることをあらかじめお断りしておく。
 ジョブズ九回忌の頃であったか、廃棄物品置き場に、Macintosh IIci 2台とApple 13 inch Color Monitorとを発見した。朝な夕なに通りかかるたびに、なにか心に訴えかけてくるものを感じていた。
 ところで、Macintosh創成期の頃、本体、キーボードやモニターの筐体にはおなじみの七色のかじられたリンゴのCIがついていた。これは単にケースに彩色を施しているのではなく、わざわざくり抜いて成形してある筐体パーツに別に塗装したCIの形状のパーツをピタリと嵌め込む象嵌細工なのである。
 筆者が以前Apple Keyboard IIの美白を試みたときには、これを外しておくという智恵が回らず、レインボーカラーの塗装面まで美白してしまい、まさに魂の抜ける思いであった。
 よくよく観察してみると、Apple 13 inch Color Monitorのフロントベゼルの象嵌は、Apple Keyboard IIのそれと同サイズのように見える。ここにいたって、廃棄処分の瀬戸際で、縦置きされて少しうつむいた表情のビンテージモニターが筆者にだけ必死に訴えかけてきたことが、呑み込めたのである。
 日が暮れて人通りが一段落した頃を見計らって台車で移動させ、Macintosh II Repair and Upgrade Secretsを参考に8本のネジを緩めてベゼルを外す。Mac IIとともに218000円で購入した思い出の機種であるが、分解するのはこれが最初で最後であろう。裏側からMOドライブ用のイジェクトピンで押して魂を抜く。

 後日記(2020.10.13)>翌日の夕方に、まだ残っていたIIciの魂を抜いた。そしてその次の日にはIIci、モニタともども搬出されていったのだった。

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