YouTube「道との遭遇」チャンネルで、過去に放映された「川の上に造られた道・暗渠道は福岡に多数あり!?」というタイトル(ミキのお二人のツッコミレスバージョン)を発見した。実に見慣れた光景なのであるが、これが「道」を極める真剣な実践の場になっていることに膝を正して、感激しながら視聴した。
「金屑川と汐入川に挟まれた」黄金デルタ地帯の、「水路ンダリング(暗渠に蓋をしたところを自転車置き場に転用)」した道のシーン(6:45)の水路を、油山川に合流するところ(4:04付近)から遡上するルートは、何度も行き来しているのに何だか違って見える。合流地点の突端の形が新型新幹線のようにスマートでかっこいい。またこの先金屑川に合流したところにゴールデンゲートブリッジ(金門橋)というおめでたい橋があることも新発見であった。
「通行車両の重量制限」標識が紹介された暗渠道(5:48)は、船底橋を渡ったところから入っていく。以前サマースクールで,、往時このあたりは船底という地名で、川が氾濫するとすぐに浸水する凹地であったと、うかがったことがある。番組の住人の方の証言ではレンコン畑になっていたらしい。道を暫く進むと車止めが設けられていて車両通行不可となり、「国体道路」(幹線道路)に抜ける歩行者・自転車専用道になっていた。
古道探索の趣き深い暗渠道(7:17-8:02)は、昨晩やっと捜しあてた。映り込んでいる幼稚園が改名してしまったために混乱していたが、その道は幼稚園敷地のすぐ横をすり抜け、自転車さえ通れるかどうかという幅で家々の間をくぐりぬけていく。もともと人通りのないところを、深夜に自転車で通り抜けてしまって、周辺住民の方には多大なご心配をおかけしたかもしれない。
先の見えない細道をくぐり抜けた先が、2年あまり前に自転車で走行中失神転倒した場所であったことを感慨深く思った。
「まだまだ続くエビデンス」として拓本採取されていた竹の花橋は、この場所からすぐ近くである。
最後のシーン(8:43 -)の場所のすぐ手前には、先の見えない暗渠道がある。尺の都合でカットされたものと見える。
暗渠道の感度が上がってくると、このあたり一面に暗渠道がはりめぐらされていることがわかる。50年も遡れば、見渡す限り田んぼが続いていたということで、田んぼ一枚ごとに売却されて宅地になり、水路は蓋をされて道路になった、という歴史が見える眼力がついてきた。
ちなみに、最後のロケ場所からさらに南に進むと、地下鉄七隈線とその野芥駅、さらに都市高速道路の高架に突き当たり、水路の痕跡がすっかり消えてしまう。着工以前のそのあたりはよく通っていたはずなのに、筆者にはつい30年前の風景が思い出せない。そこをすぎると水路が復活して、いい感じの暗渠道も残り、最後は山の手の貯水池に到達することを確認した。が、その詳細を書くのにこの余白は狭すぎる。