シュウェップスとクワス

 《旅と道具》で佐貫先生がほろ苦い複雑な味わいを絶賛している飲み物に、シュウェップスがある。最近コカ・コーラが、「イギリスで愛飲されているビターレモンの味を再現」したBritish Lemon Tonicを発売して、容易に入手できるようになった。100 mlあたりの炭水化物3 g×410 mlというのはかなりハイカロリーではある。
 そういうことを考えているうちに、小学生の頃に一軒おいてお隣りの八百屋さんには、「ソ連の宇宙飛行士のビール」として、酪連ブランドのクワスが並んでいて、二度か三度は飲んだことがあるのを思い出した。茶色の瓶にはホッキョクグマの絵が描かれていたであろうか。キリル文字の表記があったかどうかの記憶はない。コカ・コーラのボトルが一本35円の頃、クワスはそれよりも高く、50円くらいしていたように思う。コカ・コーラほど人気が出なかったのであろう、クワスの酪連プラントでの生産は昭和40年代には終わったように記憶している。愛媛の片田舎で、ソビエト連邦は(共産主義の)とても恐ろしい國であるというイメージの一方、トウキョウオリンピアードに参加した後のソ連の女子体操選手が幼稚園の慰問に来たのを歓迎したような記憶もある。それからもう48年が経過しているのである。
 クワスの味わいについてはすでに忘却の彼方であるが、わざわざ本場に赴かなくても、当地のロシアンレストランでも味わえるらしい。
 

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