スシローにて独創を喰らふ

 連休二日目、予定のないCEOに誘われてスシローに出遊。アプリでいまから行くにして、お店の駐車場と店内で約30分待つ。
 「濃厚うに包み」などいただく。大学6年の夏季休暇に、下宿の友人2人と車に毛布や釣り竿やコッヘルやギターを積み込んで北に旅立ち、久美浜のあたりの海岸で野宿したことを思い出した。今、Google mapの助けを借りてさえ、正確な場所は記憶の外である。翌日登った山からは遥かにスキー場の山が見通せたのがヒントになりそうな気がするが、探していると一層迷ってしまう。一日千円の予算と衆議一決した貧乏旅行で、国道沿いのゲームセンターのトイレで水道水を汲んできて、海岸に築いたかまどで流木を焚き、お湯を沸かしてカップヌードルで晩ごはんとし、夜っぴて放歌して、朝起きてからはお米屋さんで売ってもらった3合のお米を海水で研いで、拾ってきたアオサを入れて炊き込みご飯にした。おかずの魚がさっぱり釣れず、根がかりしたなけなしの釣り針を回収しに岩場に行って発見採集したのを申し訳なくもいただいた記憶がフラッシュバックした。
 計画書の書き直しを考えながらいただいたのが、「独創 青椒いわしにぎり」であった。「柚子胡椒」の爽やかな辛さのおかげで、青魚特有の生臭さがほとんどない。オカムラのよっちゃんのお父上の寓話で骨身に染みていたところ、フクイ下宿のまかないに供されたままかりにやられ、爾来40年、生の青魚を口にすることはなかった。しかしながら「独創」にこだわってオーダーしてみて、鰯の脂の甘さとカプサイシンが絶妙な味わいであることに気がついた。
 審査員をピリッとさせる独創の提案書を書いてみようという着想を得たのだった。

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