遊1006号1979年4月号

 70年代の終わり頃の憧れの雑誌が、ぽっと1冊だけ近隣の古本屋さんに出た。
 バブル前夜の当時、エピステーメ(朝日出版社)のような、内容のみならず外見にも凝った雑誌が若者にチャレンジしていた。「遊」も「mononcle」も…とひとくくりにすると怒られるかもしれないが、筆者にとっては遊学3年目にして都心のキャンパスへの電車通学が始まった頃で、放課後しばしば梅田の紀伊国屋書店旭屋書店を徘徊して帰宅するのが常であったのでこの雑誌も見たに違いない。ただし、その定価は1,500円で、当時230円(と記憶する)の生協のお昼定食を食べていた貧乏学生には、1週間昼飯抜きでないと買えないありさまなのである。それで筆者の本棚には1005号しか所有していない。それを、約30年の時空を越えてほぼ新品同様の希少本を現在のお昼の豪華な定食のほぼ2/3で購入できるのであるから素晴らしい。このお値段なら(もし全巻出てくるのなら)コンプリートすることも不可能ではないが、はたして続きは出るのか。緊張感を持って時々チェックに通わなければなるまい。
 巻末の広告には、「100号をめざしているビックリハウス」なども見られ、今は昔の当時の時代の気分にタイムスリップできる思いなり。[本]

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