科学少年にタイムスリップするための古文書

 今から34年くらい前のことと思われるが、大阪梅田の旭屋書店紀伊國屋書店で購入した鉱物採集の旅〈〔2〕〉四国・瀬戸内編 (1975年)新天文学講座〈第2巻〉太陽系 (1963年)と並んで、筆者の所蔵する最も古い本である。鉱物採集の旅シリーズは、他の地方のも買っておけばよかったのであるが、貧乏で買えなかった。絶版後40年も経つと時々出てくる古書は邦貨20000円以上したりする。ただし、これらの本に実用の価値を見出すことはたぶん難しい。この40年で鉱山の閉山、災害等による地形の変化、マニアの活動による産地周囲の社会的環境の変化などが起きているからである。何億年の歳月をかけて形成される鉱物の地表での分布についての記載が、たった40年で役に立たなくなるのは興味深い。
 それでは、天文はどうであろうか。はやぶさイトカワの微粒子を持ち帰って太陽系形成の謎が解けたとしても、ガリレオ・ガリレイの昔から星座の配置が変わるわけではない。その意味で肉眼的には古い星図でも十分に実用になる。しかし、星の配置は変わらなくても地球の自転軸の歳差のため天の北極・南極の位置が徐々に移動していくので、厳密には座標系は移り変わってゆく。このたび思い立ってフィールド版 スカイアトラスを購入。監訳者村山定男氏は、NHKの子供向け科学番組で草下英明氏とともに出演しておられたことを思い出す。[本]

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