スターフィールド撮影2025(26)第24・25夜 砂に書いたバーナードループ

 第24夜(11月14日22時~26時34分)は、周期的に雲が流れてくる不安定な日和で、雲間を狙ってバラ星雲、うしかい座の5角形の中を200 mm F4レンズで撮影した後、50 mm F1.4レンズに付け替えて(文句を言っていても始まらないので)バーナードループなどを撮影した。
 翌日寝坊して起きた後PixInsightでインテグレートしてみるのに、どれをとっても色が冴えない。さらにバーナードループもまったく見えるようにならず。介護うつ気味の気分を晴らすつもりが、すっかり意気消沈してしまった。…と落ち込んでいるところに、空は雲一つなく、SCWでも九州北部には見渡す限り雲の影がない!
 散光星雲は、主に星間のH2ガスの電子が星の光にエネルギーをもらって電離(高いエネルギーの軌道に遷移)して、また低エネルギー軌道に戻る際に吐き出す差額のエネルギー相当の波長の光を出している。Hα輝線の波長は約656.3 nmの赤色光である。この間500円で買ったジャンクのMC R1フィルターは、SR-60という表記もされていて、600 nmよりも波長の長い光を透過する特性を持つ。PENTAX KPの光学センサーのお手並みを拝見してみることにして、ワクワクしながら日が暮れるのを待った。
 第25夜(11月15日22時~26時40分)は、撮像期間中ずっと快晴が続いた。とはいうものの、アストロトレーサーの較正がうまくいかず約1時間タイムロスして、200 mm F4でM42やM41を撮影しているうちに結露が見られるようになり、SMC-PENTAX FA 50 mm F1.4にスイッチ。MC R1フィルターをかませて通常の露光時間で数枚撮像したものの、現場でのモニタ確認ではまったく写っているように見えない。帰宅後、真っ赤なイメージをインテグレートして、なんとなく気配は漂っているような気がするので、赤色を脱色してやろうと色々と試してうまくいかないなか、Automatic Background Extractor (ABE)をかけたらいきなり砂に書いたバーナードループが現れて鳥肌がたった。Hα光をKPのセンサーが捉えられるのは間違いなさそうで、あとは筆者のストレッチの腕次第であろうが、SpectroPhotometric Color Correctionの後、ストレッチしても、ABEの出してきたこの彩度は、どうしても再現できない。

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