刑事コロンボの魅力の一つは、残された証拠から犯人の世界観を読み解いて、正しい犯人にたどりつく過程にあると言ってよいであろう。時代が進むとこのプロファイリングを主題にTVドラマが作られたりするようになる。コロンボはプロファイラーの先駆者と言えないだろうか。
今回の犯人は、最初は強盗に見せかける犯人像を想定してクライムシーンを演出するが、それでは破綻しそうになって今度は被害者の前妻が疑われるように仕向けるのだが…最後のどんでん返しで、犯人も（視聴者も）想定しなかったような意外な決定的な証拠が第2位にランクインした理由なのだろう。
共犯者を演じたRossana Huffmanは1971年製作の本編の登場人物では最も若く見えるが、32歳で美学生を演じておられ、2016年5月20日に喜寿で亡くなった由。他のご年配のキャストでまだご存命の方は何人くらいいらっしゃるのであろうか。48年も経つと、ほとんど死滅してしまわれているのではと心配してしまう。
精霊の命日は過ぎてしまったが、実際にはもうこの世にいない人々によって演じられたドラマが時空を越えて当時のままに再現されるという時代に生きていることを想う。
