野外彫刻本(の多く)はウォーキング中に目覚めた著者が書いている

 amazon.co.jp(と日本の古本屋)でまとめ買いした野外彫刻本が一通り揃った。多くは数百円のお値段がついていて、送料の方が高い本も多かった。
 昨日先陣を切って到着したのが道祖神―道辺の男女神である。ブロンズ像の彫刻とは異なるけれど、早良平野の庚申塔に「覚醒している」筆者には、路傍の男女双身の石刻像は新鮮な驚きなのであった。文庫本サイズの本書には、森田拾史郎氏撮影の長野県、群馬県新潟県、埼玉県、東京都、山梨県、神奈川県、静岡県鳥取県奈良県京都府道祖神の美麗な写真が多数収録されている。氏はプロの写真家であるが、「何十万点もの写真のネガで家がつぶれそう」とぼやきながら「一日、三十キロ、五十キロ」と「山間の部落を歩き回り」、野仏に魅了されているというのである。
 本日到着の3冊は以下の通りである:アートな散歩道 : 香川の野外彫刻53選 (美巧社): 2008|書誌詳細|国立国会図書館サーチの著者は四国新聞社編集局長、東京支社長を歴任された方であるが、在職中糖尿病と診断され、入院を回避するための運動療法として始めたウォーキングで野外彫刻に目覚めたという。53選の彫像それぞれに、作者にインタビューし、略歴や製作の動機など紹介されているあたり、さすが記者魂を感じる。阿部誠一先生の作品と解説も収録されていて、当時知るよしもなかった恩師の魂の遍歴をもかいま見ることができたのは望外の喜びであった。一昨年、この本で予習して高松出張したら、どれほど幸せであったろうかと思った。
 続いて東京アートウォーク―野外アート370選。著者は、プロのスタジオ写真家であり、腰痛のリハビリと運動不足解消のために、東京中の野外彫刻を見て回ることを発願されたとある。今回購入した本の中では、最も見覚えのある野外彫刻が収載されている本である(主に新宿周辺)。3月の出張ではぜひとも時間を見つけていくつか鑑賞し、3D写真を撮影したいものだと思う。
 札幌散策2010ー野外彫刻を楽しむ小さな旅、札幌市。ホームページで公開されている内容の紙焼き版であるといえよう。地方自治体が発行しているとはいえ、「2009年に6ヶ月にわたって10名の調査員が市内全域を再調査した」成果であり、これもすばらしい内容である。ごく小さい写真つきで網羅的に紹介されているのは、数が多いためであろうが、どこにいけばどんな彫像に会えるかというカタログと考えれば、これは実に胸躍るウォーキングマップで、後はそこまで歩いて行って鑑賞するだけである。5月の札幌出張ではぜひとも時間を見つけて…以下同文。
 あと買い漏らしているのは、かながわの野外彫刻 (かもめ文庫(52))で、近々の出張予定がないため後回しにしている。
 これらの本は、タウン誌か旅行ガイドブックの延長線上にあるような本である。各地の美術館の刊行物として、地域のガイドマップとか解説書などをまだまだ捜索できるように思う。[野外彫刻]

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