スパイスの科学

 帰りにバスで地下鉄駅前まで出て、百均でBianchiのスタンド補修用のシリコーンゴムパッドを買うついでに四川麻婆風ふりかけを購入。

 スパイスは、味覚レセプターではなくて(温度感受性TRPチャネルという遺伝子ファミリーに属する)温度感覚レセプターで感覚受容されている。たとえば、山椒(花椒)のサンショオールのしびれる辛さや唐辛子のカプサイシンの辛さは43℃以上の温度を知覚するTRPV1で受容される。ただし、しびれる「麻辣」の辛さは、カリウムチャネルの受容シグナルとのクロストークで生じているらしく、このカリウムチャネルが麻酔薬の作用のターゲットになっていてまさにしびれる感覚につながっているのが興味深い。
 知り合いにシナモンとオレガノとを毎日飲む健康法があると聞いて、半信半疑で朝パンにつけて食べるオリーブオイルに混ぜてみている。健康への効果を科学的に評価できる手立てなど何もないが、食道の輪郭をのどのあたりから胃までじんわり感じることができるのは確かで、食道の表面に分布している神経細胞のTRPV3チャネルがオレガノ(カルバクロール)によって、TRPA1がシナモン(シンナムアルデヒド)によって刺激されているのは間違いなさそうである。
 興味のわいてきた方のfurther readingに、川端二功:スパイスの化学受容と機能性. 日調理科学誌, 46(1 ): 1-7, 2013.をあげておきたい。
 その後少し足を伸ばして近隣のBookOffに行ってみたら、先日閉店したEcoMallの在庫が2階に引っ越した感じになっていたことを追記。

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