ELIZAは30年後のディープラーニングの夢を見たか

 筆者にとって、ELIZAとのファーストコンタクトは、1984年の今頃であったか、I/O別冊に掲載されたOS-9/6809上のBasic/09版ソースコードFujitsu FM-11AD2に打ち込んだものによる。「そんなのネットからダウンロードしたらよかったのでは?」とおっしゃる若い人には、当時はインターネットなど影も形もなかったと説明しておく。5インチフロッピーディスクさえ、かろうじて普及しはじめた頃で、当時の5インチ2HDフロッピーディスク(1.44 MB)は10枚一箱で14,000円、NECの5MBの8インチハードディスクと8インチFDドライブのコンボドライブが50万円くらいしていた。雑誌の付録でフロッピーディスクやCDがつくようになるのも、数年後のこととなる。結局当時は雑誌に掲載されたソースコードまたは機械語のダンプリストを手打ちするのがデフォルトのインプリメントのやり方であった。人工知能というよりは、まるで知能体からの返事のようにヒトに錯覚させるものは何かという問題を提起したプログラムから32年、人工知能も人間の碁の最高位名人を初めてハンディなしで打ち負かすほどに進化した。そのAlpha GOが何千万回も自己対戦を重ねて臥薪嘗胆したことをdeep learningと呼んでいることはご承知のことと思う。
 いまどき、音声認識するスマートエージェントSiriの「古い友だち」と手っ取り早く会話するにはJava版インプリメントするのがよいだろうと考えていたら…。本日開店のフォレストハウスの喫茶店で、お話に花を咲かせている参加者お二人の会話が、実にELIZAどうしの「対局」になっていることが、運営者側で話題になっていた。

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