イダイマエショーテンガイをバーチャル再訪

 以前にも書いたが、1984年6月15日発行の別冊I/O CPU5にはMotorola 6809用のOS-9/6809上のBasic09にインプリメントされたELIZAのソースプログラムリストが掲載されていた。ある土曜日のお昼どき、昼までの勤務終了後に当時の勤務先である岡山の大学の正門前の門前商店街で昼食をとっての帰りに、本屋さんで購入したと記憶する。そのお店は、ガラスの引き戸を開けてお邪魔するような、阪急箕面線桜井駅前の市場の中のマガジンスタンド(これまた30年前の印象なので今どうなのかは不明なり)風の作りのごく狭いお店であった。今では古本屋さんになっているものの、(おそらく)入院患者さんのお見舞いの需要に応えているのであろう。当時から、品揃えの点ではセレンディピティにあふれていて、この間上の子の押し入れからレスキューして自炊したボルダリングの本もここで購入したことを記憶している。
 かれこれ四半世紀経ってバーチャル訪問してみると、当時ゼビウスに熱中した喫茶店は薬局になり、行きつけのご飯屋さんも大抵廃業したか、食種が変わってしまっていて、すっかり浦島太郎になったことに気がつく。もちろん髪の毛も真っ白になってしまったのである。
 ELIZAをBasic09ソースリストから打ち込んでインプリメントできるプラットホームがあるわけでもなければ、Java版のオープンソースプログラムインプリメントするのさえ億劫であるのに、何とかしてもう一度別冊I/O CPU5を入手してページをめくり記事を読んでみたいと冀う、その心理は、OS-9/6809を買って人工知能にワクワクしていたあの頃の気分にタイムスリップしてみたいという、負の浦島効果に違いない。あの本屋さんの末裔の古本ながいひる店で購入できるとさらに幸せかもしれない。

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