I/O別冊CPU 5到着

 朝からTalking Heads《Memories Can't Wait》とか小室みつ子《マッチブックコレクター》などを聴いて、1984年気分で読み返すのだが…。
 ページをパラパラめくってみても、6809マシン語入門とかFM-7のディスプレイサブシステムとか、ほとんど記憶にない記事が続くので、本当にこの本を31年前に読んだのか確信が持てず。
 人工知能の紹介(原正一郎:人工知能研究とELIZA、pp.89-93)に続けて、マイクロウェア社:BASIC09によるELIZA、pp.94-116に掲載されたプログラムのソースリストのデータファイルの文字列や数字の連続に少し記憶が蘇ってきた。Microware社はOS-9の開発元である。「プログラムはこのままではメモリ不足のために動作しないのでパックします」などと書いてある。
 裏表紙のFM-11AD2の広告には本体価格298,000円と書いてあり、そんなにしたのかと今さらに驚くのである。CPUは2 MHzクロックの68B09E、主記憶128 kBの小さなメモリー空間で、Basic09は中間コードにコンパイルして実行ファイルを小さくできたのである。このメモリーを256 kBにするボードが10万円近くしたのも思い出した。卒業して就職した1年目が終わる3月末か4月はじめにAD2を購入し、その年の7月か8月にはRS-232Cデータ通信の実験のため2台目として中古FM-8を日本橋に行って買い足し、次の年にはアップグレード機種のAD2+も購入した。かなりつぎ込んだのはまちがいない。
 さて紹介記事の著者である原正一郎氏の当時の所属は東大医学部医用電子研究施設となっており、現在の京大地域研究統合情報センター教授のページのバイオグラフィーによれば博士課程に進まれた年のようである。知識工学研究の後、古文書文字認識、デジタルアーカイブ構築、GISとの連携などへと研究領域を広げ、現在は地域情報学の創設を目指しておられる由。31年後にタイムスリップして著者と再会を果たしたのに感激したが、これはお互い遍歴しましたなぁという、若いもんには理解しがたい感覚かもしれない。

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