ELIZAからSiriへ

 1983年頃、講談社サイエンティフィックから、スプレッドシートのソースが掲載された本が出版されたと記憶している。その本を知ったのは、目黒に訪ねたご学友を通じてのことであった。ご学友はそのスプレッドシートをFM-11 EXにインプリメントして実験データを整理していた。VisiCalc系スプレッドシートの威力については、特別の感慨があるが、ご学友が自ら打ち込んで使っているスプレッドシートインパクトも重畳されているのは間違いないところであろう。
 ご学友はOS-9と金田式DCアンプの強烈な信奉者であったが、彼のFM-11がOS-9機でそのソースがOS-9 Basicで書かれていたのか、あるいはF-Basicであったのか、そこはよくわからない。当時筆者の職場の日電のPC-旧八のN88-Basicの上で使った印象はまったくないのだが、それでは筆者はどうやって関数変換したり最小二乗近似を行ったりしていたのか、まったく思い出せない。それを少し復元できないかと思って、その原典を探している。
 卒業して1年後の春、筆者はFM-11AD2を購入して、OS-9を使うようになったのであるが、そこで初めて5インチのフロッピーディスクが使えるようになったのであった。Memorexの2HDの1.44 MBの5インチフロッピーディスク10枚入りボックスが15,000円もしていた。
 その頃I/Oという雑誌に、ワイゼンバウム博士の人工無能プログラムELIZAのOS-9 Basicのソースが掲載されて、一生懸命打ち込んでバグ取りを行った記憶あり。iOS音声認識アシスタントSiriは、郷里にELIZAという友人がいると語るのだそうであるが、それは30年前から気のない会話をすることで有名な、あのELIZAと同一人物であることはもちろん間違いあるまい。
 androidでは、そのSiriを「お尻」から読んだIrisがカウンターパートとの記事もあったが、それは今昔物語の時代の話で、aquosphoneの2年縛りが解けて1年たとうかというところで、標準装備の「Google音声検索」を初めて使ったのである。単語をちゃんと聞き分けて書き取りできるのにびっくりした。

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