昭和三十年代のTV CM

 「かまどのうた」のありかがわかってしまうと、堰を切ったようにローカルCMが次々と懐かしく思い出されてくる。ゾウさんらくらく青い空、ウサちゃんらくらく白い雲の「らくらくラックモノラック」とか、地球侵略に来た宇宙人があまりの旨さに「ミンナ大好き・中野ノ豆菓子」と棒読みで警告するCMとか、三つ子の魂なんとやらとか申すけれど、まさに半世紀前の幼稚園の遊び友達に再会するようなものだ。
 一方で、その頃のTV放送がどのように録画され、保存され、そしてまた、youtubeにアップロードされた経緯も大変に興味深いものだ。
 (VHS)ビデオレコーダが大衆化したのは1980年代後半のことであり、1970年(筆者小学校5年生)頃のTV番組の録画は、オープンリールのビデオテープをデッキにかけて行なうような途方もない作業であった。NHKでさえ、放送終了後のテープを消去して別の番組に使い回していたために、送り手側にさえ、ソースが残っていないような時代なのである(NHK天下御免》などが一例といえる)。それでも、愛媛のローカルCMが比較的系統的に保存され、公開されている理由のひとつは、四国地方の放送広告業界には一人の巨人がいて、その方の手がけた作品の多くがフィルムアーカイブに保存されていたためのようである。

本ブログではamazon associate広告を利用しています。