坂本龍一コンサートのMacintosh

 NHK BSP4Kで録画していた《坂本龍一コンサート リマスター版》(2024年3月16日放映、1987年7月19日、1988年4月9/10日収録)を観る。ステージの後方には一体型MacとKensingtonのトラックボールが映り込んでいるが、決してノスタルジーものとして置かれているのではなく、最先端のDTMツールとして当時のコンサートを支えていたのに違いない。1988年のはじめの製品ラインナップは、Mac II、SE/30であっただろうか。
 このビデオの坂本龍一の(ヴォコーダーを通さない)肉声は、うわずった高い声のように聞こえた。聴いたのは生まれて初めてのつもりになったが、これは思い違いで、以前NHK ETV《スコラ》で聞いたことがあるはずである。照れ隠しに、氏の著書を生まれて初めて発注してみる。

 後日記(2025-02-24)>到着した小包があまりにも軽く小さかったので、想像とのギャップに驚いた。新書サイズの本で、ザラザラした紙質は同時代のmononcleを思い起こさせる。本そのものを芸術として愉しむべきであろうから、内容について特に感想は述べないが、出版後に腐食していって一定時間後には一斉に読めなくなる(想像上の)本などが提案されている酸性紙のページが、40年の年月を経てゆっくり分解しかかっているところに情趣、すなわち「もののあはれ」あり。ただし、(坂本)教授の呪力は、筆者をして書きかけのまま放りだしていた原稿を引っ張り出し、推敲をやり直させ始めるくらいに強烈に効いている。

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