カールカクテル・スタイル


 ベッドの分解は、2日に及ぶ炎天下の作業となった。無意識に中腰になって、手首をひねるような作業を続けたためか、粗大ゴミ処理が終わった後も身体のダルさ、筋肉痛、腰痛や指や足の軽い痙攣症状をひきずった。
 そこで三連休の後半はつぎつぎと台風が発生するので、島旅は無期延期して、男の隠れ家のハンモックを離島の宿舎のそれに見立て、読書三昧で過ごした。

 読み進むうちに、どうしてもがまんできなくなって、CEOに呆れられながらチーズ味の明治カールを著者推奨のスタイル(《鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。》新潮文庫版p.265・文庫版あとがき)で食べたり、KF「D」で9ピースバレルのフライド・「ダイナソー」(《鳥類学者 無謀にも恐竜を語る》新潮文庫版pp.75-76)を買ってきて食べたりした。薬研軟骨は、出所の捜索(《そもそも島に進化あり》新潮文庫版p.265)に手間取り、まだ焼き鳥屋には行けていないが、メインランドの環境のメリットを最大限活かしながら、《無人島、研究と冒険、半分半分。》と合わせて計4冊を一気読みした。隔絶された海洋島に移入した生物の絶滅と進化、そして複数の種間相互作用のネットワークになっている生態系の構造など、硬派なテーマながら、筆者にとっての美しい場所の探険のシミュレーションとして、大変興味深く読んだ。
 これにはNHKの西ノ島、南硫黄島孀婦岩の探険調査ドキュメンタリー番組の録画ライブラリも大いに理解の助けになっているに違いない。 中公新書の大崎直太《生き物の「居場所」はどう決まるかー攻める、逃げる、生き残るためのすごい知恵》もすごい本であったが、一気には読み通せず、約1か月を要した。川上博士の4冊を先に読んだ後で読むべきであったと後悔しているが後の祭りである。 川上シリーズを終えたところで、、キャニオニングやケイビングを小林希《大人のアクティビティ》で疑似体験してお茶を濁そうとしたら…川上博士から

この本(筆者注:《そもそも島に進化あり》)の最大の目的は(中略)これをきっかけに島に行き、島らしさを体験し、島を好きになってもらうことだ。
この本を閉じたら、それは島への旅の始まりである。

(《そもそも島に進化あり》新潮文庫版おわりにp.387)と釘を刺されていた。

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