川上和人《無人島、研究と冒険、半分半分。》

 NHK西之島南硫黄島探険生態系調査研究のドキュメンタリー番組に登場され、調査で明らかになった生態系や鳥類学について面白く、またわかりやすく解説してくれる著者が、番組では語り尽くせなかった面白さをまとめた一冊である。伊豆諸島や南硫黄島の生態系のみならず、研究者の生態系についても実に綿密な観察と分析が書き込まれている。というような書評はおそらくネットにあふれているに違いない。
 ともかく面白く、届いたハンモックに寝転がって夜ふかしして一気読みしてしまった。
 しかし読み進むうちに、筆者自身の「美しい場所の探険と研究」も、このように「半分半分」でワクワクしながら命がけで進めなければならないと悟らされ、居ずまいを正して読んだ。
 加えて、筆者の購入した中古本(すみません)には、イースターエッグが隠されていた。信濃毎日新聞東直子さんの書評(2023.12.10(土))の切り抜きで、前のオーナーさんの掲載日の鉛筆メモつきが挟まっていた。これまたうれしく拝読し、しおりに使わせていただく。

 著者の本はタイトルのつけ方が上手で、ついあれもこれもオーダーしてしまった。

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