銀色の記憶(2) Signo のカートリッジのホルダとしてのMont blancノブレスボールペン(2)

 かれこれ5年半くらい前に落札したMontblanc ノブレスNo. 1157は愛用の一本になっていた。ややキャップが心持ち甘い感じであったが、ペン先の滑り、インクフロー、書いている時に周囲にギラギラとした光を放つ様子、いずれも申し分なかった。その頃同じシリーズのボールペン(No. 1957)のコンプリートを試みたが競り負けてかなわなかった。Montblancの油性ボールペンはインクのダマが出たりして万年筆ほど使いたく思わなかったので、そのままになってしまった。
 ところが、最近裏写りのない0.28 mmの三菱Signoを常用するようになって、この高性能水溶性ジェルインクのリフィルを入れるスリーブとしてMontblancのボールペンを確保することにしたら、思いがけなくもノブレスNo. 1957を落札することができた。全く意識していなかったが、ここにプラチナ仕上げの1157-1957がワンペア揃ったのである。
 ところが、Signoのリフィル(UMR-1-28)を現物合わせしてみると、ひっかかってペン先が出てこないことが発覚。ノブレスが、Montblancの中でもスリムな形状に設計され、専用スリムラインカートリッジ(現在は廃番)でないと使えないようになっていたほどなのに、ゲルインクカートリッジの多くはインク容量を大きくするためにペン先付近から太い直径に設計されているので、試してみるにSigno以外のぺんてるエナージェル、ゼブラサラサクリップリフィルも全滅である。油性インクのリフィルになるが三菱JETSTREAMのノック式用SXR-38も途中のリング状の構造をカッターナイフで削っているうちに分解してしまった。
 唯一使えそうなのはUni StyleFit 0.28 mmの替芯UMR-109-28で、ペン先周囲の形状が純正カートリッジのそれとほぼ同じである。全長が短いので、下駄を履かせて全長が合うように調整できれば、最高に書きやすいSignoのタッチをMontblancノブレスで味わえることになる。
 さて、3か月半ほど前にはヤフオクに出ているMont Blancの4色ボールペンにグラっときそうになり、お値段が(百均の4色ペンの)400倍もするものを買う意味はどこにあるのかと思いとどまった筆者であった。しかし、改造マニュアルの毒が身体に回りつつある今、もし三菱JETSTREAMの替芯に差し替えて使えるのなら、むしろ万年筆など一切売り払ってしまって、スタイラスペン、Multi-8、ぺんてる0.9 mmシャープペンS10、レーザーポインターペンと合わせて5本持ちするほうがよいと思えてきた。残りの人生が20年ちょっとあるとして、それ以外の筆記具は死ぬまで使うことはないと言い切る自信ができてきつつあるということだろうか。

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