海神社への旅

 先週ソファの下から発掘された梅原猛氏の記紀神話の里宮崎をめぐる旅は予想外に楽しめたのであるが、いわゆる綿津見の神というのは天孫一族を助けた土着の神という位置づけということである。
 さて、わが社のサイトには近隣の文化財だか史跡というような隠しページがあって、海から遠く離れた山の上に海神社があって「わだつみじんじゃ」とスペルアウトされることが紹介されていた。それで、早速海神社探検にでかけた。
 このあたりは以前何度か来たことがあって、まず徳栄寺を表敬訪問(早速道を1本間違っているのである)の後、一本西側の尾根筋の道をあがっていく。しかし、目印の公民館が見つからず。少し下りて、西油山公園で子供を遊ばせているお母さん方に「海神社と書いてわだつみのみや」のありかを聞くがみなさん土着の民にあらねばご存じないという。しょうがないのでEveryTrailをmapモードにしてチャリナビしながらたどりつく。
 ようするに看板や道しるべなどはまったくないお宮さまなのである。民家の間の細い路地の向こうに鳥居と注連縄が見えた時にはほっとしたわけであるが、小川を渡って神域に入り、鳥居の額に海神社と書いてあってやっと確認できるわけである。小高い丘の上まで一直線に石段が続いていて一段一段がとても高く、とてもバリアフリーの時代の設計ではないが、まん中に手すりが付けられている。
 上がってみると村の鎮守様という趣きの神社が建っていて、福岡市指定の大きな樹が周囲を取り囲んでいるという風情である。お社自体は最近再建されたようで、縁起などについての掲示はないが、古くから尊敬を集めた神社であることはまちがいない。決して知名度の高い神社ではないけれど、境内はしっかりと掃き清められている。
 誰もいない境内で、樹齢数百年のクスノキの葉が風にそよぐ音を聞いていると、昔ここに綿津見族のお屋敷があったのではないかとか、想像される。街乗りの自転車でここまで上がるのはなかなか大変であるが、来るだけの値打ちがあった。
 風のように来た道を駆けおりて、旅の終点は「炭火焼 火影(hokage)」にて、地鶏炭火焼のテイクアウト、650円。[本]

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