柿本人麻呂を祀る神社

 先週からライトマップル 山口県 道路地図ライトマップル 島根県 道路地図を買ってきて、目を皿のようにして「柿本神社」「人丸神社」「人麻呂神社」を捜したところ、山口県で4つ、島根県で4つ見つけることができたのであった。このうち、益田のページはまったく同じものがどちらにもあって、ここに含まれる「戸田柿本神社」と「柿本神社」はダブルカウントしているので、実質6社ということだ。
 一方で、ネットには、摂社として人麻呂の祀られた神社を含めた柿本人麻呂を祀る神社一覧がある。どのような資料に基づいたものかは記載されていないが、平成の大合併以前の地名なので、なかなかGoogle mapで一発で検索できるというものではない。こちらに採録されているものは、島根、岡山以西に限っても50社以上あり、これをライトマップルにプロットしていって、ライトマップル柿本人麻呂神社スペシャル版を完成させたのである。もちろん、すでに本宮の名前で表示されているものもあれば、そうでないものもあった。
 山口県の摂社密度の方が異常に高いことがわかった。島根県には人麻呂終焉の地の伝承もあり、密度が高いのだが、山口県のそれの方が上回り、また、鳥取県兵庫県日本海側や愛媛県の瀬戸内海沿岸にはほとんど存在しないことは、人麻呂の人口への膾炙が瀬戸内海山口県沿岸から関門海峡を越えて日本海沿岸を東に広がったことをうかがせるものなのであろう。後世人々がご利益を期待して摂社を建てていったとすれば、きっと鳥取県でも愛媛県でも山口県と同様の分布密度になるはずだ。しかしそうはなっていない。この分布の非対称性は興味深い。
 さらに、検索を進めたところ、人丸大明神序のページで、『桜井満《柿本人麻呂論》巻末の「柿本人麻呂関係社一覧」34都道府県の252社に、astpa693氏独自の現地調査で「県内全社を踏査確認」!し、山口県だけで200社以上をリストアップされていらっしゃる。もうこうなると、ライトマップルにプロットする気力もなくなってしまうのであるが、ちゃんとGoogle mapも公開して頂いている。後世疫病退散のために建てられた祠まで調査されているのであるが、これで見ると、『長門部の46社に対し、周防部は156社と3倍を超える多さ』で、瀬戸内海沿岸の周防部では『防府市(22社)、旧徳山市(33社)、旧玖珂郡(32社)が拮抗突出している』由である。瀬戸内海の対岸ではどうであろうか。あまり密度が高いとは思えないのだが、探せば出てきたりすることもあるだろうか。

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