円周魚眼レンズの「あがり」

 ゆっくりと朝寝。
 台風一過猛暑の中、MEiKE 3.5 mm F2.8レンズの試験撮像。
 円周魚眼レンズには、ある種のこだわりがあって、Arsat 30 mmを使いたくて、6×6フォーマットのKiev-60とセットで購入したのも懐かしい思い出である。こちらは銀塩ブローニーフィルムの使用が難しくなって、フェードアウトしてしまった。
 ベラルーシ製のPeleng 8 mmは、35 mmフォーマットでペルセウス流星群の記録に使ったが、APS一眼では、対角魚眼相当の画角で使っていた。先日、これで使い納めかと観念して手放したが、光学の女神は我を見捨てず。micro 4/3で円周魚眼として使える光学設計の進歩の賜物を、国宝級でない価格で購入できた。
 実に21年ぶりにまん丸の写野に遭遇する。ボディーを持っている右手の指さえ写り込んでしまうほど、空間が曲がっているのが愉快である。
 撮影フォーマットは、3880x3880 pixelの正方形フォーマットである。写角220°から概算すると、方位角あたりのピクセル密度が17.6 pixel/degreeとなる。理論的には開放絞りF 2.8で最高感度(ISO 6400)で撮影可能な限界等級まで写ることにはなるが、実際には撮影場所の環境光によるカブリの影響で上限が決まるのであろう。
 ペルセウス群の全天の常時網羅的観測に使えないかと考えてみると、本体にはバッテリ充電用のUSBソケットがあるので、20000 mAhのバッテリをつないでおいたら、一晩保つだろうと(勝手に)思い込んでいたが、そんなに簡単ではなかった。バッテリーの出力電圧は7.2 Vなので、別売の純正外部電源アダプターは、AC電源から12 Vを作ってダミーバッテリーを介して給電していて、周囲に街灯もないようなところで一晩中お手軽に連続動作させるのはなかなか難しい。
撮影した画像はWiFi接続したPCに送ることもできるので、電源さえ供給できれば、あまり記録メディアの心配をせずに、4K画質で連写にするか、ビデオにするか、悩んだりできそうであるのだが。

 後日記(2023-08-12)>モバイルバッテリから昇圧して給電するサードパーティー製アダプターを試してみた。Lumix GX7 MkIIIについては使えるとも使えないとも書いていないので発注前には少し逡巡したが、ダミーバッテリーからのケーブルの引き出し方は(GX7 MkIIIのマイナーな設計変更のため)少し異なるものの、問題なくセットできた。フィールド使用の際にはケーブルの取り回し(断線防止)に注意が必要であるに違いないが、これがあるのとないのとでは撮れるものが違ってくるので、最善の対策を取りつつ使いたい。2 Aの電流の出せるモバイルバッテリーを使うのが条件であるが、定格5 V 3 A出力可能なLazosのバッテリで今のところ電流不足にはなっていない。晴れているようでも雲がかかった状態でテスト撮影は延期することにしたので、どのくらい保つかは試せていないが、退職後のミッションのためのハードウェアが着実に揃ってきた手ごたえがある。

後日記(2023-08-24)>石垣島天文台Nikon D3400 Sigma 8 mm F3.5で、ISO 3200 絞り開放 30秒露出で捉えられた「北の空に写った光」。イメージのサイズは2992 x 2000 pixelである。某国軍事偵察衛星の打ち上げロケットの光跡か。それにしても30秒露出してほとんどカブりの見られない夜空を、筆者も一晩中撮影したい。

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