マイクロフォーサーズ陣営の明日

 デジタル一眼とか、ミラーレス一眼という新たなカテゴリーのカメラの嚆矢、マイクロフォーサーズは、カメラとビデオを融合する映像機器の規格で、筆者のような中古カメラ人類にとっては、各種のクラシックマウントのレンズを有効活用できる規格である。光学を駆使してまかなわれてきた機能を徹底的に電子化するという哲学が実現された設計ではないかと思われる。
 すなわち、レンズマウント面から撮像素子までの距離(フランジバック)が従来のほとんどの規格よりも短いために、間にアダプターと称する短い筒をつけてゲタをはかせるだけで、それぞれのレンズの当初の設計性能通りに最短撮影距離から無限遠までフォーカスが合うのである。このメリットは、ファインダーが電子化され、一眼レフでは必須であったミラーのない筐体が設計されたことによるのだが、この電子ファインダーは暗い被写体でも輝度を上げて、さらに電子的に拡大して精密にフォーカスを調整できるという副次的なメリットも生まれた。
 それで、撮れるのは写真だけでなくフルハイビジョンのムービーを、メモリの空きとバッテリ容量の限り収録できるのである。現時点では、仕事に使える機械はこれしかないのではないかと思われるのである。
 SonyがKonica-Minoltaの伝統のもとEマウントのNEXシリーズで、またNikonNikon 1マウントで参入してきたことを考えると、ミラーレス一眼市場が決して不毛の大地というわけではないと思われるのだが、どうも代表的なマイクロフォーサーズメーカーの業績不振がニュースになっている。Panasonicが今年度の決算で赤字に転落する見通しであるというし、オリンパス損失隠しが発覚して上場取り消しの瀬戸際にあるという。
 ホームページで拝見すると、Panasonicは来月初めにプレミアムミラーレス一眼DMC-GX1を発売予定であるというし、筆者の常用するGH2のファームウェアアップデートも予定されている。オリンパスもXZ-1プレミアムキットを「2011年12月9日から3,000台の数量限定」で出すそうである。マイクロフォーサーズの火を絶やすことのないよう、健闘を祈りたい。[カメラ]

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