阿部誠一《女の子ー平成ー》を比較明合成


 画像処理ソフトウェアには、StarStaXを使用。El Capitanでは、インストール後初めて普通にダブルクリックしても「インターネットからダウンロードしたどこの馬の骨かわからんソフトウェアは使えません」と怒られ、起動できない。controlキーを押しながら起動する必要がある。
 一旦起動できると、候補の画像ファイルをdrag & dropで登録しておいて、実際に使うものをチェックボックスを選択し、組み合わせを変えていろいろ試してみることができる。
 合成結果にブレが見られることから、カメラの位置が途中で変わってしまったことがわかった。ベビー三脚は機動力が高くてよいけれど、少しシャッタスピードを調整した時にブレてしまったようである。さらに、あまり高さがないのでかなり仰角が大きくなった。それほど頑丈でなくてもよいけれど、ミニクラスの三脚の方が望ましいのはまちがいない。
 トップライトの当ったショットが押さえられなかったのも反省点の一つである。
 たった6カットの合成で、ちょっと見には光の回った仕上がりになったのを供覧する。酸性雨で傷んだ鋳肌の七難も隠せているようなのにびっくりしてしまった。比較明合成では最終的には露光量が飽和スレスレのカットのピクセルが生き残るので、わりと色が飛びやすい特性がありそうな印象を受けた。彫像の中には、きちんと手入れされ、真っ黒に蜜蝋を塗られて光を吸収する完全黒体のようになってしまって、ディテールをうまく写すことができないものがある。光の量をコントロールできればある程度ディテールを再現できそうに思われる。また、至近に看板などが配置され、どうしても写り込んでしまう場合もある。これも比較暗合成で塗りつぶしてしまえるとしたらどうだろうか。表現にうまく使えそうな期待が膨らんでくる。
 筆者としては、《木の精》や《春を奏でる》などをモデルに、この手法をもう少し勉強させてもらっておいてから、中村晋也《陽春》や、岩野勇三《りか》能楽堂脇の辻畑隆子《開》の撮影に赴きたいと願うものである。月のない夜中に行動することを考えると、輪行ツアーを組むのがよさそうに思う。また、比較明合成写真撮影アウトフィット専用機材ケースがあると便利だと感じるのである。
 
 

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