辻畑隆子《開》比較明合成習作

 ディスクスペースのないMacbook AirにやりくりしてuPhoto quick viewer、GIMPおよびStarStaxをインストールして、まずはまだ小雨の残る頃に撮影した《開》側貌からはじめる。
 大分市の彫刻は、お手入れがよく、鋳肌の表面の蜜蝋で弾かれた雨粒が水滴になっている。これを全周の角度からストロボで照らした画像で比較明合成してしまうと、粉をふいているような仕上がりになるので弱ってしまった。
 StarStaxは、Preferenceメニューで合成方法を、メインウィンドウの左ペインで合成に用いる画像ファイルをそれぞれ変えながら、いろいろ試した結果を確認できる。割と自然に仕上がったのが、5方向からのストロボ光の像を合成したものであった。ある意味、スタジオでの多灯ライティングと似ていて、立体感のある自然な感じに仕上げられることに気がついた。ただし、筆者の理想はすべての部分が適正露光量になっているように合成された画像であるが、これでは立体感がなくなってしまうのかもしれない。コマごとにストロボ光の当たり具合が異なる部分は、撮像時のストロボの照射角度や距離の管理とともに、撮像後のトーン(明暗)補正による鋳肌の性状による反射率の違いの吸収の必要に気がつく。また、背景の減算にももう少し工夫が必要のようである。というか、フレーミングがまともに確認できないのが問題点である。

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