供養のためPanasonic Vivi Lithium号で今治市内周遊

 父は80歳の誕生日を期して運転免許証を返納してHONDAスーパーカブを処分し、電動自転車に乗り換えた。
 小さなテラスに置いてあるVivi Lithium号は丁寧にカバーでくるまれていた。カバーを外すと、後ろの荷台にはカブから移したHONDAブランドのヘルメットケースが固定されていた。約2年乗った車体としては、ピカピカに磨き上げられている。父の几帳面さが偲ばれる。バッテリは玄関の靴箱の隣に置かれていた。いつものように満充電して、いつでも買い物に出かけられるように置いたのであろう。
 しかし充電器はどこにしまわれたものか、一向に所在不明であった。家のあちこちを探して、充電器だけは購入しなければならないかと弱気になり始めた頃、下の子がおじいちゃんの部屋の机の脇に律儀に元箱にしまわれていたのを見つけた。机の上にはKabutoのサイクルヘルメットが置いてあった。こんなものをかぶってご近所のイオンショッピングモールに買い物に行っていたとも思えないのだが、あるいはしまなみのサイクリングロードを走ることを考えていたのだろうか。
 母は、父が身体を壊した原因は、車重の重い電動自転車であると考えていたが、これは完全に言いがかりである。スタンドを立てると車輪がロックされ、とにかく動かなくなることや、慣れないうちは不用意にペダルを踏んでアシスト機能の加速で身体を置いていかれそうになったりするので、乗りこなしが難しかったのではないかとは思う。
 下の子に頼んで自宅から持って来てもらった中古IS12SHにGoogle My Tracksをインストールし、アシスト機能とトラッキングの確認のため試験走行。26インチの車輪は、アシストなしでもある程度進み、車重はそれほど気にならない。もちろん、アシストを入れると峠道もぐいぐい上る。立花小学校の下の踏切を渡りながら、小学生の頃であっただろうか、父と犬の散歩に出て、薄暮の中で汽車の通過を待っているときに線路の脇の倉庫の壁に大きな蛾がとまっていたことを思い出した。建物などは完全に建て替ってしまっているのに、全く忘れてしまっていたはずの50年近くも前のディテールがよみがえってきたのに驚いた。逆に元の家の近隣で父との思い出を偲ぶものなし。暗い夜道で、思いがけず父とすれ違うのではないかと思うのであるが、これは到底無理な願いである。
 IS12SHも初期状態に戻った状態だからであろう、OSの立ち上げが大変早い。また、My Tracksによる移動経路の記録も上々である。トラッキングデータはWiFi経由でGoogle Driveに保存されるので、本体メモリへの負担も少なくてすみそうである。走行ルートをIS12SHにインストールしたGoogle Earthで再生することも可能である。3DデジカメつきのGPSトラッカーで、2,300円はお買い得といえる。

本ブログではamazon associate広告を利用しています。