輪行の際にキャリーカートは、エレベーターのある、大きな駅での移動には大変有効で、駅舎の階段を昇り降りしなければならないような小さな駅でも、ホームでの水平移動が格段に楽になった。このあたりは、自転車として走る距離と荷物として運ぶ距離とのバランスで決まるから、必ずしも必要というわけではないし、車体が軽量で運ぶ距離が短いのであれば、キャリーカートを運ぶコストのほうがかさむに違いない。ところが、豆御殿号のように輪行は無理と言い切る評者もいらっしゃるような重い車体でも、引いていくぶんにはまあまあなんとかなる。
しかし、カートの荷台面の上では不定形のパイプの集合体は座りが悪く、バランスを崩すことが数えきれずあった。小さな子供さんが手を引かれて歩いているような場合、親御さんがわざわざ衝突コースに入ってこようとするように思えて仕方ないこともあった。おそらく思い過ごしであろうが、それでこちらが譲ってコース変更をすると必ずバランスを崩してしまうのである。また、横幅はふつうの自動改札機の幅とほぼ一緒で、通過時に引っかかって力任せに引っ張りだすようにして通過したことも何度かあった。おそらく縦置きで安定する配置を捜すべきなのであろう。また、折りたたむ部分付近のパイプの塗装の表面にかなり傷をつけてしまった。こういうのは勲章だと思う筆者は別に凹んだりはしないが、キャリーカートの「選び方」や「カートへの載せ方」には、まだまだ研究の余地があるということはまちがいない。
一方、走行時にはたたんでリアキャリアにゴムの荷紐で止めておいたが、ずれて斜めを向いたりした。今回のような田舎の舗装路を走行する限りにおいては、脱落したりすることはなかったが、これも歩行者のいる道では危険なことである。本日湯船で熟考し、キャリーカートをリクセン化してシートポストに縦置き固定するような手が使えそうにも思われてきた。ある程度高くなったとしても、ビンテージバイクの背もたれ風になるのならそれもよいし、もしかするとリアキャリアを外しても荷物が積めるのかもしれない。シートポストの直径が30 mmであることを確認の上、RIXEN&KAUL CK810をオーダー。