ポピュリズム指向の題名と俯瞰的に健康生活を提案する中身がどうにも釣り合わない

 昔々あるところに、それはそれは親不孝な息子がおりました。
 母刀自宅のダイニングの本棚を片付けていると、薬を飲むとあなたはますます不健康になるというような題名の本((仮名)古狸書房刊)が愛読書然と飾られていて、まったく手つかずの3か月分の薬袋が出てきました。

 心の不安を煽り、不信感を植え付けるポピュリズムは、何もSNSから始まったことではないと、せがれは気づきました。旧来のメディアも、「規則正しい生活習慣と食事に気をつける」ごもっともな内容に、衆人の耳目を集める過激な題名のカバーをかけかえて、新・健康法を「再」発明しているではありませんか。
 それを愚かにも信じ、予防薬服用を中断して不健康になって、それでもなおたぶらかされていることに気づかない母刀自を、親不孝なせがれは許すことができません。また、読者を無責任にそそのかす著者や発行者も決して許すことができません。憤激のあまり本のカバーを

こんな無責任な本に書いてあることを盲信して背骨を圧迫骨折した愚か者は誰だ

と墨書した紙にかけかえておいたら、翌日には本ごとどこかに片付けられてしまいましたとさ。

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