意地悪と思いやりの生物学

 朝日新聞朝刊で「意地悪も思いやりもある魚心」という記事を読んだ。
 一夫一妻制の南米産の魚「コンピクトシクリッド」を使った大阪市大のグループの研究で、3月19日にNature Commに掲載されたとのことであるが、特に論文へのリンクが掲載されているわけではなく、記事中でコメントされている佐藤氏が著者かどうかも曖昧な感じである。
 意地悪されているとは思わないが、筆者には以前こういうほのめかしをたよりになかなか原典にたどりつけずがっくりした(言うまでもないが自分の情報収集力へのがっくりである)体験がある。一方でこの間協力と罰の生物学を読んだところで、利他主義のエキスパートになろうとしているのでなんとしてもこの原典は揃えておきたいところである。
 今回は魚の学名を調べてNature Commのサイトで検索したらあっという間に求めるページに到達できた。
doi.org
 「意地悪と思いやり」を「分断と包摂」に言いかえると、何冊か本が書けるくらいのテーマになるわけであるが、発見された現象を脊椎動物の進化の中での利他的な行動の進化に当てはめると、こころをつかさどる分子の進化がぐっと身近になった気がする。

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