小春良読体

 正午前に起き出して、朝日新聞朝刊を読む。
 天声人語で紹介された、ローガンにも優しいTrueTypeフォント一式二万円を高いと見るかどうかは意見が分かれそうにも思うが、フォントの開発と良読性の検証のコストを考えると決して高いものではないのだろう。
 従来のフォントの美学と「字間のゆとりや濁点半濁点を大きめに」といった良読化のノウハウを両立させて、斜体、ボールド体などに加えて、良読体のオプションが用意されるというのは可能だろうか。筆者は、使うタイプフェイスも表現の重要な部分と考えるが、ダウンロードしたPDF文書を表示する時に、横のチェックボックスをクリックすると、文書全体が良読化表示されるというのが、失礼にあたらなければよいと思う。最初はobliqueのように機械的に隙間を開けた等幅書体オプションからスタートして、enthusiasticなフォントデザイナーさんがディテールを作り込んだ新書体へとフォントが進化し、世界に先駆けて高齢化の進むこの国の共通財とならんことを切に願う。

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