運試し

 2月下旬に4年ぶり高知市出張を入れた。
 《超一流の休みのとり方》によれば、超一流の方というのは、さしたる目的をもたずに海辺に行って、癒やされて帰ってくるというようなお休みを取られるらしいのである。仕事は仕事として、桂浜かどこかの太平洋岸で老人星を見て、寿命を伸ばせないかということになった。
 国立天文台で計算してみると、当日の高知市での南中(子午線通過)は20時30分頃、高度は驚くなかれ3°56′09′′である。
 シンポウジアムが終わるのが18時前で、その時点で快晴ならタクシーか何かで暗い海岸まで連れて行ってもらってなんとかなるかもしれない。宿舎は市内の安いビジネスホテルを予約しているが、海岸沿いの小高い丘の上のホテルが見つかればさらに有利かもしれない。と桂浜あたりのホテルを探しているうちにshironagassuさん(高知市の西側の土佐市にお住まいのようだ)がアストロトレーサーを駆使して撮影したグランプリ星景写真を発見。土佐市には天の川が上がってくると海に反射して明るくなるような夜空があるらしく、「高知市の光害」を避けて撮影されているように書いておられる。
shironagassu.hatenablog.com
 撮影データを見ると、今年の2月17日にPENTAX KP、DA 10-17mm FISH-EYE(10mm)、ISO6400でF5.0、アストロトレーサーを使って60秒の露光ということである。対角魚眼で人工灯火がまったく写り込まない抜群の環境がうらやましくてしようがないが、大いに勇気づけられる。円周魚眼のPeleng 8 mmが対角魚眼として使えるようにM42-Kマウントアダプタを用意したほうがよいかと思ってしまう。
 土佐市にも宿舎がないわけではなく、高知駅からJR、バスを乗り継いで1時間以上かかるような海沿いのお遍路宿が見つかる。
https://sanyo-so.co.jp/sanyo-so.co.jp
 こういう場所で、一晩かけて1分の露光時間で全天の星野をくまなくカバーできたりするとどれほど素晴らしいかと思う。ところが実際には当日曇だったり、イノシシが出たりするような不可抗力から、途中でバッテリーが切れたとかフォーカスが甘かったとかちょっと気をつければ何とかなったミスまでいろいろあって後悔が残り、超一流の休みではなくなっていくのであろう。
 また、高知といえば彗星観測家の関勉先生は高知県芸西村であったことを思い出した。関先生はご健在で芸西天文台で現在も小惑星を続々と発見されているとのこと。
goo.gl
 となりの学習館のページでおすすめされている宿泊施設に芸西村の家がある。
muranoie.com
 芸西町は高知市の東側で、高知空港からタクシーで20分、高知駅からJR利用で35分と、土佐市よりもアクセスが優れている。その分高知市街の光害から逃れられないのではないかとの懸念もある。
 とここまで盛り上がったところでふと悪い予感がして月回りを調べてみた。22日が満月である。のぞみは潰えたということである。
 というので、一応快晴なら芸西町あたりに移動して海岸で目を凝らしてカノープスを遥拝し、高知市内のホテルに宿泊することにする。



 

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