水島先生の自転車走行記録に刺激を受けて、aquosphoneのMy Tracksで週末のワークアウトを記録しようと意気込んでいたが、黄金週間の前あたりから、My Tracksを起動しても「GPS信号を待っています」といったきり、実に所在ない状態になってしまった。GPSのアンテナが断線してしまったのでは？というくらい、信号が受からないのだが、GPS以外の機能では特に故障と考えるべき動作不良は見つからないのである。来年4月に家族ぐるみでキャリアを替えるつもりなので、今更機種更新する気もないし、まして3Dカメラの付いた機種もない(これは引越し予定のキャリアにも同型兄弟機はあったが、現在はディスコンである)ので、困っている。
一方で水島先生が、1997年から2006年にかけて、8万kmを走破されるのを記録するのに使われたのは、登山に用いられるGPS専用機であった。その9年間に、3台買い替え、最後に買ったeTrex legendaの性能に満足されたという。
そこで、まず第一の疑問であるが、GPS専用機とaquosphone 006SHに内蔵されている受信機の精度はどのくらい違うのか、について頭を悩ませたのである。Garmin社のeTrex legendaは、すでに伝説の名機であるが、水島先生の言葉を借りると道のどちら側を走行したかまでわかるという。また。徒歩の移動速度を4 km/h（≒1 m/s）と測定可能であるらしいので、aquosphone 006SHの30 mの精度よりも一桁以上精密なのであろう。eTrexの後継機種は3種類出されており、ミドルクラスの機種でも4万円近くと、かなりお高い。最近のGPSユニットは、ロシアのGPS衛星やみちびきの信号も受信して、位置の測定が迅速かつ正確であることを特徴としている。ただし、通った道が分かる程度ならaquosphone 006SH内蔵GPSでもうまく位置データを取得できていたこともあった。
もしGPSユニットが不調になってしまっただけなのであったら、安い中古品にSIMを差し替えればよいだけとも言える。それで、いわゆる白ROMと呼ばれるらしいのであるが、SIMを抜いた中古スマホを探してみたが、祖父地図あたりでは捜しあてることあたわずであった。
2つ目の疑問は、中古市場でaquosphone 006SHがなかなか見つからないのはなぜか、ということであった。
価格.comでのユーザーレビューを読んでみたら、aquosphone 006SHは、市場ではかなり不評の機種であったようにも読める。特にOSアップデートでビルド番号がS0042番に上がった途端に不具合が多発したらしい（現在はビルドS0066)。使いこむうちにだんだん応答が遅くなるというのは、他の世界一お金持ちの会社の作ったOSでも見られる現象であるが、筆者はある意味ボタンを押してから反応するまでのタイムラグが十数秒というようなのには慣れっこになってしまっていた。それでも、評者の勧めに従って、設定→プライバシー→オールリセットの実行を試してみると、応答の体感速度が一桁早くなった。おそらく、購入直後はこのくらいキビキビ動いていたのだろう。地磁気センサーの校正を行ったり、Googleアカウントを再設定したりしてみると、GPS信号をちゃんと捕捉するようになった。健康のための投資として、4万円の身銭を切ることをいささかも厭わないつもりであったが、タダで解決するのであればそれより安いものはない。
一応それで昨日夕方、My Tracksで位置を記録しながら26.83 kmのコースを平均時速11.52 km/hで2時間20分ほどかけて巡回したら、ほぼ満足の行く軌跡を得ることができた。推定消費カロリーはかなりいい加減な計算のようである。このデータはGoogle Driveにsyncされるのであるが、006SH単体ではデータがGoogle Earthにエクスポートされプレイバックされる。
ただし、何かの要因でエラーが頻発しはじめると、システム再起動しか手がなくなるようである。キャッシュされたデータがシステムメモリを食いつぶしたりしているように思われる。走行途中から経路の記録が台無しにならないようにするにはどうすればよいか、それが第3の疑問である。
それに関連して、aquosphone 006SHでは、プレインストールされているアプリの他、ソフトバンク謹製のアプリなどでインストールしたが最後、アンインストールできなくなるものがある。巷の情報では、それらのファイルの所有者はrootになっているらしく、何かのシステムモジュールの脆弱性を突いてroot特権を奪取するという、所謂jailbreakでもしない限り、アンインストールできないらしい。しかし、システム購入者にsuperuserになる権利を与えないベンダとは一体何であろうか。利用者はあまりこういう点で苦情を言わないのであろうか。というのが、GPSとはもはや関係ないけれど、第4の疑問である。
