いまこそテキストデータ料理学の時代

 岡山在住の頃、西古松にニノミヤ無線ができたのは大きな環境の変化であった。それまで地元か隣県のチェーンの小売店鋪しかなかったところに、当時の大手全国チェーンが乗り込んで来たのである。今なら七隈線賀茂駅前にヤマダ電機ができるような塩梅であったのだろう。
 その最上階に、マイコン関連書籍の売り場があった。その売り場の品揃えというのは、インタフェース誌の前半の広告に載っているような「ミニコンUNIXに源流を持つもの」は少なく、マイコンパソコン通信やゲーム文化の産物が多かったように記憶する。丸善紀伊国屋には、前者の方の品揃えは豊富であったが、後者は当時新興のジャンルであった。そういえば、OS-9のBasic/09でインプリメントされたELIZAプログラムを掲載したI/O別冊というのもあった。
 そこで購入した二冊が、MS‐DOSテキストデータ料理学 および入門 JGAWK―サンデープログラマーのための言語型テキスト変換プログラムであったことはほぼ間違いない。これらは、国立遺伝研の水島さん(たしか)によってNifty-ServeのFBIOでバイオインフォマティクスの先駆けの文脈で紹介された参考書であった。爾後、gawkの一行野郎様のおかげで命拾いしたことも数知れない。
 いま、要語しゅーの編纂にあたって、アンダーラインを引いて提出したり、それをテキストファイル化するのに、キーボードに不慣れなスタッフをしてキーパンチャーをさせているのを見るにつけ、スキャナで取り込んでOCRをかけたのをnamazuで見出し語抽出しては…などと考えるのであるが、一つ一つ手と眼で確認しながらできなくもない規模であるから、誰もが既存のやり方にしがみつくのであろう。四半世紀遅れと言われようが、いまこそ脇山バレイにテ(キストデータ)料理の時代が来らんことを冀う。
 >後日記:そのニノミヤも既に祇園精舎の鐘の声とは。

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