イプシロンロケットのその後

 朝のニュース番組では、中止したら失敗と断じるみのもんた氏のような意見や現地で飛ぶように売れたイプシロングッズを紹介し、おいしさがもう一度とのあくどい取り上げ方もされた。「宇宙へのパスポート」を読んでみると、いずれの宇宙機関においても異常が見つかればカウントダウンを中止して直すのは当たり前であって、予定通りに打ち上がる方が珍しいのであるが、今回そういう常識はあまり語られなかった。この国のマスコミには「失敗を中止と言いくるめ」られまいと自恃する風土があるからか。
 それよりも慙愧に堪えないのは、立ち往生したイプシロンロケットが、整備塔に格納されることなく、発射台上に野ざらしで一晩過ごしたということだ。朝8時の映像として、発射台の上にロケットが写っているのを見て、しまった、もったいないことをしたとつぶやいていたら、CEOにいぶかしがられたが、発射台の上のロケットを見られる一般人は、抽選にあたったわずかな人なのであった。しかも火がついたら数秒で飛んでいってしまう。したがって、誰でも、心ゆくまでミュー台地のロケットを撮影できるチャンスというのは、実は長いKSCの歴史の中でもそうはなかったはずだ。TVに写っているレポーターさんは、どうもそういう感激とは無縁のようであったのが、残念である。
 さて、姿勢の異常を検知したセンサーを検証するためにロケットは動かせないのかもしれないが、電源の方は打上げ前に内部に切り替えてしまったら、そう長くは持たないはずである。また、つなぎ直したのであろうか。

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