昭和も遠くなりにけり

 昭和63年後半あたりから昭和天皇は体調を崩され、みんなでご容態を案じていた。当時の地方TV局は深夜停波するところが多かったけれど、NHKが終夜眼鏡橋を中継していたことを思い出すのである。昭和64年(1989年)1月7日土曜日、薬石の効なくお隠れあそばされて、翌日から平成元年となって、ちょうど四半世紀を経過したのである。
 それで、最近「ギザ拾」もとんと見なくなったなと考えていたところ、先週後半に財布の中に「昭和三十三年のギザ拾」を見つけて、のけぞってしまった。筆者誕生年の十円玉(以下三十三年モノと略)は、物心ついた頃から44年間気をつけているにもかかわらず、ついぞ手にしたことがなかったのである。三十三年モノが筆者に衝突する確率を計算すると、7.04 × 10-10 /sと見積もられる。このような非常に稀で、独立して起きる事象の確率関数はポワッソン分布に従う時、(確か)次の事象が生起するまでの時間は指数分布に従うのである。すなわち、われわれは体験的に、続けざまに柳の下で二匹目が獲れたりすることを知っているわけだが、独立事象は時をおかずに起こりやすい。とはいうものの、本日財布の中に2つ目の三十三年モノを見つけた時はさすがにびっくりした。
 昭和三十九年、幼稚園児か小学校一年生の頃、五円玉か十円玉一個でくじ付きガムが1個とか、オレンジ色の風船ガムが2個買えた時代であった。

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