Nikon 1

 先月NikonからNikon 1マウントのカメラNikon 1が発売された。とは、あまりにもcanonicalなので恐縮であるが、ついにNikonからミラーレス1眼が出た。レンズマウントは、50年不変のFマウントではなく、このシリーズ向けに新規開発された1マウントである。懸賞論文の問題を解くために、変分法を考案したNewton並みの、王者の貫禄というべきであろうか。
 もちろんというか、残念なことにというか、マウントはmicro fourthirdsとの互換性はない。受光素子は、13.2×8.8 mm C-MOSで撮像時に(35 mmフィルムフォーマットと比較して)レンズの焦点距離の2.7倍相当に拡大される。micro fourthirdsではこの係数は2倍であったから、撮像素子の面積はmicro fourthirdsのそれと比較すると1/2ということだ。ただし、micro fourthirdsでレンズに1.4×のエクステンダをかませて光学的に拡大した状態を、暗くならずに得られるので、望遠レンズで拡大率を稼ぎたい場合には有利である。
 このあたり、カメラのデジタルズームを使った電子的な拡大をすると、撮像されたピクセルが拡大されるので画質はジャギってしまうが、光の明るさは変わらないのに対して、光学的なエクステンダは、画面が暗くなる(1.4×なら1絞り、2×なら2絞り)一方、ピクセル拡大による量子ノイズはでないので、両方をうまく組み合わせると良い結果が得られる場合もあるようだ。
 そこで、若者向きの「薄型レンズキット」には28 mm広角相当の10 mm f/2.8レンズが付いている。この焦点距離で、この明るさの薄型レンズを定価31,500円で作れるNikonの技術力は世界一だ。
 従来のFマウントレンズをつけるためのアダプタも今月発売予定なのだそうだ。ただし、カタログにもホームページの仕様にも、「最大20分間のフルハイビジョン録画が可能」と書いてある。これでは、演奏の途中で録画が止まってしまう曲が出てくるわけで、「使えねぇ」ということになりかねない。どういう制約で20分に限られるのか、将来的に改善される見通しはあるのかについて、Nikon担当者の答弁をうかがいたい。
 Lumix GH2なら、SDカードのメモリが満タンになるまで回し続けることができるので、当面はこちらを使っていくけれど、もし万が一後継機が出なくなってしまったとしてもこちらの後継機がバックアップ機になるかもしれない。と考えておけばひとまず安泰なのではないだろうか。[カメラ]

本ブログではamazon associate広告を利用しています。