曾野綾子:生命ある限り(上)

 往復に、iPadに入れて持ってきた文庫本を読む。文字が大きく表示されるので、なかなかよろしい。まるで機内誌にでも載っていそうな感じの、後味のすっきりした短編のエッセイ集である。「ダムを見に行く前の日に地元でドテラを買う」話を、高校の時、現国の教科書であったかにのっていたエッセイの原典を捜して読んだ記憶だけを頼りに捜す。以前から気になって本ニュースにも記載した記憶あり。本書で「当り」であったのだが、齢を重ねて読み返してみると、若い頃には良さのわからなかった人間模様の話が多いことに気がつく。
 信州大を受験した時に、雪が降るほど寒くて、このジャンパーの話を思い出した記憶あり。ただし話の主題は、越前大野の本屋の息子であったが、そちらの印象はまったく欠落してしまっていた。他に、短編のうちで記憶に残る話は2つ3つで、いかに記憶があてにならないかの証拠になりかねない。
 

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