《刑事コロンボ:逆転の構図》

 今回は、メリーポピンズのバート役、Dick Van Dykeが写真家に扮している。今回はトリビアにも紹介されていないが、コロンボは被害者の葬儀参列者の記録のために「ご近所の知り合い(だったと記憶)」のNikon FTnを借りてきて撮影している。そのシャッター音は、クラシックカメラ本では「囁くような」などと記述されることもあるが、実際はかなり騒々しいものであると筆者は感じるのであるが、葬儀のシーンでもコロンボが撮影するたびにレリーズ音が参列者をナーバスにしている印象であった。後のシーンでその結果が白黒写真で出てくるのも意外に感じた。
 筆者が修学旅行でバイトしたのは、本編初回放送(1974年10月)の翌年の春のことである。Nikon FTnを一台任されてフジネオパンSSで撮影していたことを思い出した。マミヤプレスで撮影した集合写真はカラーであったが、それ以外のスナップは白黒写真であった。1971年にNikon F2が出ているからNikon FTnは最新機種ではなかったけれど、四国の片田舎でも、カリフォーニア州ロサンジェルスでもFTnは立派な現役カメラであったということだ。

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