マニュアルAi-s Nikkorの機は熟したか

 フジヤカメラさんで拝見するに、ここのところお値打ち品のAi-sが多い。例えば、24 mmから400 mmまでカバーするハイスピードレンズの5本組みアウトフィットが20万円ちょっとである:24 mm F2, 50 mm F1.4, 105 mm F1.8, 180 mm F2.8[ED], 400 mm F3.5[ED]
 これでNoct-Nikkor1本の代価に匹敵するが、いわば伝説の大口径名レンズを揃えてこのお値段なのはまさに桃源郷である。これにさらに35 mm F1.4、85 mm F1.4を加えて7本組み28万円というのもため息が出るほど素晴らしい。
 レンズ選びの場合にはどうしても本来の35 mmの画角で考えてしまうのに、実際には一眼(レフ)デジカメで使用する場合には焦点距離が1.6〜2倍に伸びるので、たとえば24 mmの超広角の明るいレンズが、ちょっと暗めの標準レンズ相当の画角のレンズに化けてしまうというのは、宮澤賢治:どんぐりと山猫で、枡に盛られた黄金のドングリが見る見る普通のドングリに化していくような感覚である。いや、望遠系のレンズは焦点距離が伸びた分輝いて見えるのであるから、輝きを失って損をしているのは、主に広角系の24 mm F2と35 mm F1.4というわけであろう。
 ただし、これはCCDあるいはCMOSセンサーの大きさが35 mmフィルムよりも小さいという、(近未来から見ると)過渡的な技術的問題にすぎないものかもしれない。[もっと光を]

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