梅原猛:歌の復籍

 引き続き、柿本人麿シリーズ。人麻呂は万葉集随一の歌人であるが、没後まもなく神となったという。人麿をおまつりする神社は、「ひ・とまる」の連想から火災や、「ひと・うまる」から安産の神様としても霊験あらたかであるという。人麻呂は、にらいかないちゃんの安産祈願とひよこちゃんの健康のために筆者にこれらの本を読ましめているのかもしれない。
 「歌の復籍」は、作品の表記論をもとに人麿が苦心して漢文から和歌を創始する過程を作品から再現し、人麿の青年時代に迫る、という内容であったが、そこで引用されている阿蘇瑞枝氏の万葉集の表記研究の武器は、収載歌の網羅的データベースであったと、どこかのページで読んだことがあるのだが、今はぐぐっても見えず。
 何となく、今やっていることのヒントはすでにあったのだな、と今さらにして気がつくのである。気がついたついでに、これで表記論は無理としても解析を行って問題点を分析し提言をまとめることができたら、3本くらい論文を書けるはずと計画中。[本]

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