残せるからこそ捨てられる

 昨日、15年くらい前から後生大事にとってあった名刺をScanSnapに取り込んだ。その数576。読んだ後の名刺は、シュレッダにつっこんで裁断廃棄してしまって、その後からスキャンデータがScanSnapのバンドルソフトである「名刺OCR」にリダイレクトされていないことが判明。データは行方知れずになってしまった…。
 電話とFaxで連絡をとりあう時代には、名刺専用ポケットのついたA4版クリアポケットにならべて入れて、そのままコピーをとったりできて、それなりの威力を発揮したわけであったが、e-mailの御世になってすでに久しく、obsoleteやリンク切れの情報なのである。実質上ただ捨てても困らないのに、そのことを何度も自分に言い聞かせないといけないくらいorzな気分であった。
 単なる電脳をやぢの感傷と言ってしまえばそれだけのことではある。しかし、もともと名刺を捨てるに捨てられなかったのは、実に576人の方それぞれのご厚情の記憶が徐々に日々に疎しとなってしまう予感(というかひしひしと実感というか)のためではなかっただろうか。
 ところが、本日そのデータがPDFとなって文献データの間に混じっていることが判明して、まるで青春の日を取り戻したような感激を味わった。ScanSnapの使い方のページには、年賀状も一括でスキャンしてしまう例が紹介されていて、なるほどと感心。これもそのうちやるべきであろう。
 ハードディスクのクラッシュですべての記録を失わないよう、バックアップには細心の注意を払いたいものである。[Win]

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