Squeak 3.9

 CEOに「ちょっと調子よくなったらすぐ遊びに行こうとする!また熱が出ても看病せんよ!」と釘を刺され、おとなしく読書の一日。 本棚の端に立っていた鈴木則久:Smalltalk, 1986, 産業図書をラテン語の文法書でも読むような感じで読み始める。 今から思えば、ビットマップディスプレイ上のマルチウィンドウな環境でマウスを用いるPCがイーサネットにつながっているというのは、あなたにとっても筆者にとっても至極当たり前のことなのであるが、当時は正月の1面新聞広告(だったと思う)に載っていた富士Xeroxワークステーション1100SIP(以下通称Doradoと略)の写真に3ボタンマウスとビットマップディスプレイを見つけて、見積もりをとったところ1300万円だったという、そういう時代である。その広告のビットマップディスプレイのウィンドウのひとつにはInterLisp-Dが、そしてもうひとつにはSmalltalk-80のシステムブラウザと熱気球のロゴが開いていた。そういう意味で、Smalltalk-80と熱気球は、当時の推定年収2年分以上という高嶺の環境のシンボルなのであった。 現在のソフトウェア開発においてオブジェクト指向プログラミング言語が使われることも含めて、Doradoは20年後(つまり現在)のコンピューティング環境の姿をきわめて正確に見通していたことに改めて驚くばかりである。CPUのパワーやメモリ空間、HD容量などは底が抜けたようにインフレートしているが、これは天才の想像力をチップメーカーの天才が追い越したものに相違ないであろう。 その後、Mac IIにもSmalltalk-80が移植されて、そのハードウェア価格がたったの130万円であったのだから、このpoorman's Doradoには飛びついた。というのが、Macを使い始めたきっかけである。今では、Mac miniでもWindowsマシンでも、10万円程度の予算でこの環境が手に入るようになったというのはすごいことである。 とは言うものの、著作権放棄されたSmalltalk-80本の並んだ本棚の賑わいから見て、Smalltalkはすでに古語かと思っていると実は誤りで、直系のオープンソースの子孫Squeakにそっくり含まれているという。 System browserを立ち上げれば、鈴木先生の本に載っているスクリーンダンプと寸分違わぬブラウザが出現する。2年前から使っている基幹Let's Note CF-R4が、Doradoの末裔であったとは!!しかも、ご先祖様のブラウザは、3ボタンマウスでないとなかなか扱いにくかったが、20年後の子孫はOSのインタフェースとの整合性を気づかってくれる余裕を持っていて、操作の面で違和感は少ないように思われる。 後日談:さて、もう一方のInterLisp-Dであるが、こちらの情報によれば、やはりフリーで使えるようである。仮想化momonga linuxの上にLinux版を導入すれば、遅れてきた貧乏人のためのDoradoが完成する。と勇んで試してみるに、

# ./ldex lfg.sysout./ldex: relocation error: ./ldex: symbol errno, version GLIBC_2.0 not defined in file libc.so.6 with link time reference
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