宮田隆編「分子進化」−解析の技法とその応用−,共立出版いわく,

 『遺伝子には一度獲得した機能を,
 長い進化の過程で守り続けようとする保守的傾向がある。
 (略)
 これでは新しい遺伝子は進化できない。
 実際にはばく大な数の遺伝子が存在するから,
 何らかの方法で新しい遺伝子が作られているはずである。
 それは保守的な体制を崩すことなく,革新を生み出す道でなければならない。この条件下で生物が採用できた戦略は遺伝子のコピー(遺伝子重複)をつくることだった。
 (略)
 遺伝子重複は分子進化の保守性と機能的革新のみごとな調和である。(p. 36-7より引用)』
 この本にはいたるところに詩といってもよい,力強い文章があり,美しい比喩が使われています。誤植が多すぎるのはちょっと…ですが。
 政治には無縁な私ですが,保守と革新,この言葉にはいろいろと感慨があります。NGPはきっと革新的なものにしますよ,と合掌して来たすぐ後だったし。

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