LiDARで3D/2D計測入門(13) iPhone 14 Pro 用の制冷・磁吸散熱器

 先だってのiPhone 12 Proのデータ再解析では、風穴が空いてしまう例もあった。何度も丹念にスキャンしているつもりなのにデータが欠測となる原因のヒントを求めて、インタフェース2023年1月号の記事を読み返していて、気になる記載を発見した。
 LiDAR動作中は、バッテリの電荷を90分で使い切るくらい高負荷動作が続き、筐体が発熱するのに気がついていたが、オーバーヒートを予防するためにiPhoneファームウェアがクロック周波数を下げるのでデータ欠測が起きやすいというのである。そのため、スキャン時に充電しない、筐体クーラーをつけて冷却しながらスキャンすることが推奨されていることにあらためて気がついた。
 そこで、スキャンの際にクーリングユニットでiPhone本体の温度上昇を防ぐ解決策を検証してみることとした。
 届いた中国製の「制冷・磁吸散熱器」はMagSafeの仕組みを利用してiPhone筐体に磁吸し、外部USB電源駆動のペルチェ素子とファンとで制冷・散熱する。Scaniverseで試しにそこらへんをスキャンしながら動作させてみたら、確かにiPhone筐体が冷たいままに保たれている。これは期待が持てる。
 自撮り棒をのばして《早蕨》級の彫像をスキャンするときの冷却を考えると、1.5 mのUSBケーブルが付属しているのは大変ありがたい。ベルトに下げたバッテリからクーリングユニットへ給電しながら3Dスキャンする未来が、すぐそこまでやってきた。

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