監視カメラ

 何年か前に隣家に窃盗犯が侵入して、高価な腕時計などを盗まれたと聞いたことがある。外から室内の様子が見えないように、庭の樹木を自然のバリアのようにお手入れされていたのが、逆にご専門の方に目をつけられたようである。
 並びのわが家も、隣家と同時期に建てられたときには入り口から玄関まで竹垣の続く茶室のように雅な、しかし見通しの悪い設えであった。ただし中古住宅として購入して幾星霜、台風で倒壊したのを機にそのまま撤去して、ややあけすけな家構えになって現在に至るのだった。
 最近、人目をはばからず金品を強奪するような手口が世間を騒がせるようになって、ご近所からおたくには防犯カメラもないようだが大丈夫かときかれたとCEOが言うので、玄関にフェイクカメラを取り付けて、抑止力にしようと思い立った。
 しかしながらamazon.co.jpで探しているうちに安いIoTカメラを見つけたので購入した。タダで手に入れるチャンスもあったというのに、その時にはこういう用向きがあるとは予測すらできず、ウチには不要と断ってしまったことを思い出した。機を見る敏が曇りはじめたことを痛切に感じつつ、ひときわ目立つようにあざとく設置するのも、老いのいやらしさと言うべきか。
 カメラは、画質もよく、暗くなると暗視カメラに切り替わる大変よくできたカメラであることがわかった。

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