若い頃、Happy Hacking Keyboardのページを拝見して、「カウボーイは馬が死んだらその場に残していくが、鞍はどんなに遠くても自分で担いでいく。馬は消耗品でも、鞍は自分の体になじんだインタフェースであるから」で、いまやキーボードこそデジタルカウボーイの一生モノの鞍であるという和田英一先生の談話に感激したのだった。
人間一度に操作できるキーボードとマウスは1セットに限られるのではあるが、今のところはMINIS FORUMはNeXT non-ADB keyboardとMighty Mouse、執務室の基幹PrecisionとMac Proは、FLOWマウスとキーボードと使いわけしている。
先週借りたリモートオフィスは、大型HD TVが備え付けられWiFi完備という環境であったので、そこに五郎さんのカバンにiPad Pro、テンキーレスの短い(も収まる)キーボードとマウスを入れて持ち込み、備え付けTVにthunderbolt-HDMIアダプタで出力するとかなりスマートに快適な環境を構築できるのではないかと考えた。
それで今週末からの実験に備えて、短い(テンキーレスの)キーボードと1080p出力を謳うthunderbolt-HDMIアダプタとを新たに購入し、マウスとUSB電源アダプタは手持ちのものを使うこととした。
Logitech K380BKキーボードはFLOW物ではなく単なるBluetoothキーボードである。見かけよりも重みもあり、フレームの剛性が高く、キータッチも悪くない。まだ全角半角切り替えのキーオペレーションが少し呑み込めたぐらいで、y(et) a(nother) diwographicsの執筆はもうiPadでK380BKを使わなければ書けない、というほど身体になじんでいるわけではない。
M585GPマウスはFLOW動作を期待する局面では悪くないが、そうでなければMighty Mouseの方が可動部分がない分安心できる。
というようなことを考えているうちに、身体にあったインタフェースをいちから再構築するのは大変なので少々重かろうが担いでいくとおっしゃっている和田先生の主張を、担いでいきやすいサイズに誂えた鞍に身体を無理やりなじませる本末転倒にすり替えてしまった自分にふと気がついたのである。