なぜ《忘れられたスター》が第3位に評価されるのだろうか。
ジャネット・リーは、いかにも往年のハリウッドスターらしく自宅に35 mm映画の映写室と自分の出演作品のリールを揃えていて、出演作を観ながら喫煙するシーンもある。事件のモチーフとなっている脳動脈瘤のリスク因子であるが、演技ではなく自然体でやっておられて、実際こんな感じなんだろうと思わせられるが、これぞ迫真の演技ということかもしれない。
一方、これが今のようにBluerayと8Kテレビであったら、アリバイの時間軸方向の謎解き自体が成立しなくなる。
近未来のコロンボファンは、1950年代の動画は銀塩フィルムで映写されていて、フィルムが切れて再生が停まるアクシデントが起こりうるというトリビアを予習しなければ謎解きの妙味が理解できなくなるのだろう。