ゲルマニウムレイディオでは聴けなくなるが

 愛好者参號のFM受信可能周波数帯域は(無駄に)108 MHzあたりまで伸びていると思っていたが、いまはこのあたりの周波数帯を利用して中波放送をステレオで送信しているというではないか。
 総務省ワイドFMのページには、災害時の情報ネットワークの強靭化や外国放送の混信対策などを目的に掲げてある。「Q.ワイドFMが聴ける地域はどこですか。」を参考にRKB福岡FM 91.0 MHzとKBC福岡FM 90.2 MHzとを聴くことができた。2016年3月28日からの放送開始ということである。
 遠距離の中波放送が聴こえるかどうかで、電離層の状態を観測するような面白さはないが、流星の電波観測に使えそうに思う。
 流星によって高度100 kmあたりに一過性のプラズマ領域が生じ、これがFM放送の電波を反射するのでふだんは聴こえない各局の電波が一時的に聴こえるのを流星エコーという。従来の放送帯域ではミニコミュニティー局などが増えて流星電波観測が難しくなったらしい。現在では福井県鯖江市から送信されている53.750 MHzの電波を用いるHam-band Radio Observation (HRO)が主体であるという。新しい補完放送周波数で反射してくる角度を狙ってアンテナを27本設置して日々流星エコーを狙うというのはどうだろうか。観測地点は27局の地理的重心とすれば名古屋のあたりだろうか。木曽の山間部でFM放送が届かない地域であればノイズがなくてなおよいに違いない。ただし、同じ周波数が中国・韓国で大出力で使われている場合に、アンテナの指向性で「混信」を排除できるかどうかは、実際に取りかかる前に確認が必要であろう。以前ならデータの記録、保管、解析はかなり難しかったと思うが、今ならハードディスクレコーディングや機械学習が応用できるのであろう。

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